このページでは、A3資料の書き方を説明しています。
(目次)
A3資料とは?
A3資料とは、会社の事業企画などをA3用紙1枚でまとめた資料です。
自分が企画したことを上長(課長⇒部長⇒役員⇒社長)に説明し、承認を受ける際に使用します。紙1枚にまとめますので、言いたいことを的確に記載していくことが重要です。
トヨタ系企業など多くの会社で利用されています。
テンプレート
全体構成
A3資料の全体構成は、1~4の項目に分かれています。このページでは、資料全体で気を付けることも含めて、説明していきます。
【0】資料全体
フォントは、統一しよう!
フォントは基本的に統一しましょう。
記載されている項目によって、フォントがバラバラだと、全体的に乱雑な印象を感じてしまい、資料の中身に集中できなくなってしまいます。結果、意図したことが相手に伝わりません。
ただ、「ここは重要な部分なので特に強調して言いたい!」などフォントを変える明確な理由があれば、違うフォントで書いても大丈夫です。
わたしは「メイリオ」フォントを使いますが、お好きなフォントで大丈夫です。
カラフルにしすぎないようにしよう!
カラフルな資料は、一見、見栄えがよいのですが、何を言いたいのかわかりにくいです。
A3資料は、報告相手に伝わることが重要です。言いたいことを伝わりやすくしましょう。
わたしは、基本的に、黒・赤・青の3色で記載します。
大きな文字で書こう!
報告相手が読めるくらいの大きな文字で書きましょう。
報告相手は、おそらく年配の方が多いと思います。小さな文字の資料は、見えませんし、見ようともしてくれないことが多いです。
あと、小さな文字をたくさん使って、紙1枚に収めても意味がありません。言いたいことを絞って、大きな文字で書きましょう。
わたしは、14ポイントを下限として記載します。
相手にとって親切に書こう!
報告相手にとって、親切な内容にしましょう。
最近出てきたカタカナ文字や英字3文字の略語を使うのなら補足説明を書くなど、報告相手が困りそうなことを考えて、親切な内容に心がけましょう。
【1】事業目的と背景
このエリアがすべての項目の中で、最も重要です。
報告相手が、企画内容全体をイメージでき、次を聞きたくなる内容に工夫しましょう。ここで面白みがないと、次章以降、相手は話を聞いてるようで聞いてません。
事業目的
なぜ、この事業をやるのか?やらなければいけないのか?この事業をやる「目的」を記載します。
この事業をやることによって、会社・組織は何のメリットがあるのか、結果的にどうなるのかを記載しましょう。
場合によっては、背景と事業目的を一緒の項目内で書いても大丈夫です。
背景
なぜ、この企画をやろうと思ったのかの「背景」を記載します。
製品企画なら最近の市場動向を、改善企画なら会社や組織内にどんな課題があったのか、など、なぜこの企画に取り組んでいるのかを記載しましょう。
【2】事業概要
企画の概要を記載します。図や特大文字なども使って、「パッと見」で、企画内容がある程度理解できる内容にしましょう。
事業概要
企画内容次第ですが、以下の切り口で書いていくことが多いです。
- 企画の斬新性(この企画は何が画期的・斬新なのか。既存のものとどう違うのか?)
- 現状と今後の比較(今はどんな状態で、企画を進めるとどうなるのか。導入効果は?)
- お金を儲ける手段(どこからお金を儲けるのか。それは合理的な方法か?)
- ターゲットとする顧客・領域・分野(どこを狙うつもりなのか。根拠は?)
- 今後の大まかな戦略(何を目指して進めていくのか?勝てる見込みはあるのか?)
【3】採算計画/要員計画
ここでは、企画を進めるうえでかかる費用と想定利益、推進体制を示します。
採算計画
いくら素晴らしい企画であっても、ずっと赤字のままであれば、会社の事業としては成り立ちません。
どれくらいの費用がかかり、いつくらいから利益が見込めるのかを書きましょう。
会社によって「3年後までに単年黒字、5年後までに累積黒字」とかの事業投資ルールがあるはずですので、基本的にはそれに沿うような計画を立てます。
事業投資ルールに見合う採算計画が出せない場合は、費用を削るか、企画自体を見直しましょう。また、企画を始めた後に大赤字で企画ストップになってしまっては、いけませんので、見込んでいる費用や利益を正直に出して、見積もりましょう。
あと、細かい部分ですが、単位も忘れずに書きましょう。桁数が多い企画だと、単位:千円で書いて、見やすくする場合もあります。3桁違うだけで大ごとですので、相手との金額認識をしっかり合わせましょう。
要員計画
この企画を実際に進める場合は、どういう体制で推進していくのかを記載します。
責任者、プロジェクトマネージャー、プロジェクトメンバーの名前と大まかな役割を記載しましょう。他社に業務委託等で発注する場合は、協力会社名と委託内容も記載しましょう。
【4】スケジュール
今から、具体的に何をやっていくのか、記載しましょう。
節目ごとにマイルストーン(重要地点)を置いて、マイルストーンとなる時期にどうなっていれば、順調に進んでいると言えるのか、チェックポイント項目も記載しましょう。(例 「初年度末:システム完成」「次年度末:営業黒字化達成」など)
都合のいいことばかり書いてしまうと、企画が始まった後に、進捗状況を確認され、言い訳に苦労することもあります・・・。現実的なことを書くようにしましょう。
(最後に)記載した内容を客観的に見てみよう!
ここまでで、A3資料全体が出来上がったと思いますが、最後に記載内容を客観的に見てみましょう。
自分は知ってても、他の人がわからないことが書いてあったり、わかりにくい表現だったり、客観的に見返してみると気になる点はいろいろあります。内容を全く知らない同僚にチェックを頼むのも効果的です。
最終チェックポイント
- 何をしたい企画かわかるか。
- フォントは統一されているか。
- 色を多用しすぎていないか。重要な部分がわかるようになっているか。
- 相手が読める文字の大きさになっているか。
- 略語や新語には、補足などが記載され、相手が理解できるようになってるか。
- 事業目的や背景は魅力的な内容か。
- パッと見て、企画の概要を理解できるか。
- 採算計画は、会社ルールに沿っているか。無理のない計画か。
- 今後のスケジュールは、現実的な内容か。
A3資料の書き方は、以上です。お役にたちましたら、幸いです。