このページでは、孔子の語録集である「論語」の言葉をひとつひとつ読み解き、自分自身の在り方を考えていきます。
今回は「故き(ふるき)を温めて新しきを知る、以て師と為るべし。」です。
とらくん
有名な温故知新って言葉だね。孔子の言葉が由来だったんだね。
言葉の解釈
「故きを温めて新しきを知る、以て師と為るべし。(為政第二)」は、
「先人たちの知識や知恵の良い点を学んでこそ、新しいことの良さもわかる。そういう在り方でいる人は、いずれ師となれる。」
と解釈することができます。
うまくん
新しいことを生み出すには、過去からも学ばないといけないね。せっかく昔の人が苦労して導き出したことなんだから、それを活かしていこう!
故きを温める(長い間の積み重ねを途絶えさせない)
デジタルの世界で仕事をしていると、新しいものに囲まれてしまい、昔ながらの仕事スタイルや考え方を軽視しがちです。
ただ、昔ながらの仕事スタイルや考え方は、長い間の積み重ねで成り立っていることも忘れてはいけません。
そして、我々は、その長い間の積み重ねを途絶えさせるわけにはいきません。
福禄寿さん
先人の知恵は大切にな!
新しきを知る(中身を吟味し、新しいものを生み出す)
ただ、長い間の積み重ねの中には、良い点も悪い点もあります。
昔のやり方を継承している中には、昔の人がやったことをそっくりそのまま引き継いでいるケースもありますが、それではいけません。
昔の人がやったことであっても、その中身を現代の新鮮な視点で吟味した上で、良い点は継承、悪い点は改善する方法を考え続けなければなりません。
そうすることによって、我々は、また新しい何かを生み出すことができます。
一人一人が温故知新の精神を持つことで、後世の人にとっては、我々が師となって時代が移り変わっていきます。
毘沙門天さん
昔の知恵だから信じる!とか、おじいさんが言ってるからダメ!みたいな考え方ではなく、ちゃんとその中身を吟味しよう!そして我々の代でさらに発展させ、後世につなげていこう!
補足)論語の章名
論語の原典は全二十章あり、以下の章名がつけられています。章名は各章の最初の文字を取ったものです。
学而第一 (がくじ) |
為政第二 (いせい) |
八佾第三 (はちいつ) |
里仁第四 (りじん) |
公冶長第五 (こうやちょう) |
雍也第六 (ようや) |
述而第七 (じゅつじ) |
泰伯第八 (たいはく) |
子罕第九 (しかん) |
郷党第十 (きょうとう) |
先進第十一 (せんしん) |
顔淵第十二 (がんえん) |
子路第十三 (しろ) |
憲問第十四 (けんもん) |
衛霊公第十五 (えいれいこう) |
季氏第十六 (きし) |
陽貨第十七 (ようか) |
微子第十八 (びし) |
子張第十九 (しちょう) |
堯曰第二十 (ぎょうえつ) |
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