このページでは、クラウドサービスの概要や各サービスの違いについて、記載しています。
(目次)
クラウドサービスとは?
クラウドサービスとは、インターネット上に存在する「様々なインターネットサービスの総称」です。
「〇〇をインターネットサービスとして提供する」という意味で、
「〇〇aaS」(〇〇 as a Service)という略称で呼ばれています。
言葉が生まれた当初からあった代表的なサービスは以下の3つですが、2023年現在では、3つ以外にもたくさんのクラウドサービスが存在します。
略称 | 正式名称 | サービス概要 |
IaaS (イアース) |
Infrastructure as a Service |
サーバ機器やネットワーク機器などの設備機器をインターネットサービスとして提供 |
PaaS (パース) |
Platform as a Service |
システム開発環境や文章を書くエディタ環境などのプラットフォーム環境をインターネットサービスとして提供 |
SaaS (サース,サーズ) |
Software as a Service |
アプリ・ソフトウェアをインターネットサービスとして提供(3つ以外のクラウドサービスもほぼココに該当) 多くの一般利用者の方が使っているのもSaaSです。 |
IDaaS:ID管理をサービスとして提供。
SECaaS:セキュリティ対策をサービスとして提供。
クラウドを活用するメリット
クラウドを利用するメリットは、自分たちでやらなければいけない作業を減らせることです。
システム開発の現場において、クラウド利用前と各クラウドサービスを利用した場合の違いは、以下図の通りです。
クラウド利用前は、サーバ機器の選定や手配から始まって、OSのインストール、システムの開発、利用ユーザーへの提供まで、すべて自分たちで作業する必要がありました。
クラウドを利用することによって、クラウド業者が代わりにやってくれるので、その分の作業量を減らすことができ、早くシステムをリリースできます。
また、必要となるIT知識も絞ることができますので、従業員教育を少なくすることができます。(ここは少しデメリットにもなります)
IaaS、PaaS、SaaSの違いは?
IaaS、PaaS、SaaSの違いは、自分たちが作業をする領域の違いです。
言い換えると、どこまでをクラウド業者でやってほしいか?どこから自分たちがやりたいか?ということです。
やりたいこと | 選ぶべきクラウドサービス |
サーバ機器のメーカーや設置する場所など、 全部にこだわって、すべて自分たちで決めたい! |
クラウド利用不可 (自前で全部構築) |
メーカーや設置場所とかはこだわらないから、 サーバの性能(CPU、メモリ等)から決めたい! |
IaaS利用 |
サーバの性能は普通でいいから、 システムの仕様(画面構成や機能)から決めたい! |
PaaS利用 |
システムの仕様は決まってていいから、 早くユーザーに機能を提供して利用してもらいたい! |
SaaS利用 |
クラウドを利用するデメリット
クラウドを利用するデメリットとして、大きな部分は、クラウド業者に任せた部分がわからなくなる点があります。
当たり前のことではあるのですが、クラウド業者に任せた部分について、自社内で詳しい人間は少なりますし、自社ではどうすることもできなくなります。
困るのはトラブル時
通常時は問題ないのですが、困るのはトラブルが発生した時です。
トラブル時はクラウド業者に連絡して、その返事を待つだけになってしまいます。サービスとしてお客さんに提供したりしていた場合は、原因究明とか復旧見込み時間とか説明のための材料集めが大変です。
ですので、クラウド業者に任せた部分でトラブルが発生した場合の対応方法や、最低限の知識習得は必須ですね。
あと、クラウドサービスの説明で「年間で99.9%の信頼性」等の記載がありますが、残り0.1%を時間に直すと8.76時間です。(1年:8760時間で計算)
この場合、年間で8時間程度は停止する前提になっていますので、クラウド業者を選定する段階でも想定停止時間は確認が必要ですよ。
クラウドを利用したほうが安くなるの?
安くなるかどうかは、会社規模や利用期間、使い方にもよりますので、なんとも言えません。
「一カ月だけ限定で簡易的なWebサービスを提供したい!」みたいな場合だったら、安くなりますし、「社内の根幹となるシステムをずっと使いたい!」みたいな場合だったら、逆に高くなります。
ただ、総じて「凄く安くなる!」みたいなことはありませんので、コスト削減を主目的にクラウドを利用するのは、やめたほうがいいです。
教育費がかからないと言っても、クラウド事業者側人員の教育費として、クラウド利用料に入っていますし、なにより「クラウド利用」はクラウド業者に仕事をお願いしてるだけです。単純に考えるとクラウド業者の利益分だけ高額になってるはずですよ。
最後に)クラウドサービスの立ち位置
代表的なクラウドサービスに関して、どこに分類されるかをまとめてみました。
ひとつのクラウドサービス内でいろいろな機能が提供されていたり、サービス自体が追加されたり、なくなったりしてるので、必ずしも正確ではありませんが、参考程度でお役に立ちましたら、幸いです。(注:分類は個人の判断で行っております。)